エターナルシステム
天才SE真白時が開発した世界を創造するためのシステム。結城真がかつて運営していた、世界を永続的にしようと呼びかけるブログに触発されて開発された。時は子育てしながら、叔父の会社で働く傍らこのシステムを開発した。
エターナルシステムを使えば現実世界と同じ世界も創れるほか、現実世界とは異なった物理法則を持った世界も創造可能。小規模でよければパーソナルコンピュータの中でも世界を創造可能なため研究者の間では様々な世界が創造され、研究の対象となった。
エターナル世界
エターナルシステムを用いて創造された仮想世界のこと。ワッフル社が未来永劫、続いていく世界であるという意味を込めて、そのように呼んでいる。一番大きいものが「テラ」であり、ワッフル社が社運を賭けて運営に取り組んでいる。
テラ
天才SE、真白時が開発したエターナルシステムを利用して構築された仮想世界。現実世界の地球を模して造られており、試験的に月や火星にも行けるようになっていて、人類の版図そのものを表しているものとなっている。データを収集出来る限り、詳細に世界を表現している。現実世界での構想だけある巨大建築物が出来上がっていたり、仮想の遊園地などが追加されていたりする。
フルダイブVR機器
頭に装着し安静にして仮想世界に入ることで、視覚や聴覚だけでなく味覚、嗅覚、触覚を含めた五感すべてが完全に感じ取れるようになる装置。初期に開発されたものは診察台とCTスキャナのような大きなもので個人の家にはとても設置できないようなものだったが、やがて小型化が進みフルフェイス型のヘルメットのサイズまでになった頃、個人向けに市販されるようになった。現在はさらに小型になり、頭冠くらいのサイズのものがワッフル社から発売されていて、新型が発表されるたびにそのスタイリッシュさが話題になるほどである。
五感ジェネレータ
フルダイブVR機器を用いて仮想世界に入り込んでいるとき、視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚といった五感すべてを感じ取れるように脳に送り込む情報を生み出すソフトウェア。エターナルシステムと同じく、真白時が開発したものでこれだけでもノーベル賞級の成果物であると言われている。完成度が非常に高く、高級茶の味が感じ分けられるほどの出来栄えである。このソフトウェアの実装とフルダイブVR機器の開発のおかげで、仮想世界に入り込んでの様々な体験が可能となった。
時間制限
仮想世界「テラ」は健康のため、連続して滞在できる時間に制限が加えられている。制限時間が近づいてくると視界にログアウトを促す案内が現れ、そのままでいると自動ログアウトする仕組みである。「テラ」以前のオンラインゲームなどのための仮想世界では制限の無かったものが多く、健康被害が確認されることが散見されたため加えられたものである。
真白 時
葉月の母親。天才SE。エターナルシステムを構築し、世に広める。世界最大のエターナル世界「テラ」の創造主。また、エターナル世界「テラ」を運営しているワッフル社の取締役にして最高技術顧問を務めている。
結城 真
元地方公務員。病気で仕事が続けるのが困難になり、退職して今は不動産投資をしながら細々と暮らしている。時がエターナルシステムを開発するきっかけとなるブログを運営していた。
真のブログ
真がかつて地方公務員だった頃、仕事と病気から来るストレスや世界が終わってしまうという妄想の影響で運営していたブログ。仕事から帰った後ストレス解消、不安解消のため、病気で入院するまでの間運営に打ち込んでいた。現在はこのブログが元でエターナルシステムが開発されたり「テラ」が創造・運営されているという事実に衝撃を受けた真自身の手で消去されている。世界の終わりや人類の破滅を食い止めようと、世界を永続的にしていこうと呼びかける内容だった。太陽が燃え尽きる前に人類を他星系へ脱出させるとか、人類そのものが無理なら地球や人類をデータ化してデータだけでも他星系へ移転させる計画や、宇宙が終焉する折にはそのデータを他宇宙に移転させるという計画も含まれていた。
花咲 雪
大学2年生。地元の大学に通っている。1年目に選択科目の大半を履修したため、2年目の今は必須科目のほかはわずかな講義だけで、暇を持て余している。フルダイブ型VRシステムに興味を持ち、ダイブする日々を送る。
真白 葉月
飛び級で高校を卒業している。秋からの留学前に長期休暇を楽しんでいる。
柿崎 千尋
雪の中学時代の同級生。成績は学年トップだったが、進学校へは行かず、工芸高校に進学して職人を目指している。
池場 鮎里
デザイナー。現実世界でもデザインしていたが、「テラ」に活動の範囲を広げている。鮎里の両親もデザイン会社を経営している。
世界情勢
北米を中心とする自由主義勢力と、アジア東部の共産主義勢力の2つの勢力がしのぎを削っている。しかし、両勢力とも利己主義が強すぎた過去のため、融和を必要とする世界において力を失いつつある。世界は融和への道へと歩みを進めている。
南鳥ニューシティ
現実世界での日本の最東端、南鳥島の位置に作られた新都市。一辺3kmほどの3角形をした中央の島とその周りに作られた人工島から成る。人工島は第1区の桜区、第2区の桔梗区などと命名されており全部で6つ作られている。
設定上、周囲から完全に孤立してしまっても、エネルギーや食糧、水を自給自足でき存続し続けれられるようになっている。桜区には高さ3,333mのシンボルタワー、南鳥タワーがそびえ立つ。桔梗区には「テラ」で最も人気のある遊園地が設置されていて、世界各地から多くの人が訪れる場所となっている。混雑が予想されそうだが、多重化の措置がとられていて、一度に多くの人が訪れてもサーバーごとに分散されるため、混雑の心配は無い。
沖ノ鳥ニュータウン
現実世界での日本の最南端、沖ノ鳥島の位置に作られた町。直径十数キロメートルに及ぶ浮遊島で、港や空港、遊園地もあるリゾート地。遊園地は南鳥ニューシティのものに次ぐ人気スポットとなっていて賑わっている。
ワッフル社
世界でも時価総額トップクラスの巨大多国籍企業。コンピュータの黎明期にパーソナルコンピュータの開発・販売から始まった会社でスマートフォンを世に送り出し大きく成長した。機器の開発だけでなくOSなどソフトウェアの開発も手掛けていて、エターナルシステムの権利を時の叔父の会社ごと買い取って仮想世界「テラ」を運営している。
また、「テラ」をはじめとするVR世界に入り込むためのフルダイブVR機器の開発・販売も行っており世界的なヒット商品にしている。経済的な世界の支配を目論んでいるが、「テラ」の利用者にベーシックインカムを支給することで貧困問題の解消にも取り組んでいる。
通貨「ドレン」
テラでの主軸通貨。仮想通貨または暗号通貨と呼ばれる仕組みで流通している。発行当初の想定通り、1ドル=約10ドレン、1ドレン=約10円で取引され安定している。発行主体はワッフル社を始めとする複数の民間企業の複合体。北米、日本など各国でドルや円の代わりに決済手段として使えるように浸透していっている。
アルチストオンライン
VRMMORPG。最近リリースされたばかりのバーチャルリアリティなオンラインゲームである。「テラ」と同じく、エターナルシステムを利用して構築されているが、地球を模して造られた「テラ」に対してアルチストオンラインの世界は街並みが中世ヨーロッパ風だったり、廃墟化されていたり、明らかに創作物である。
ゲームの世界とはいえ、かなりの広さがありゲーム性のため「テラ」とは違って瞬間移動などの移動手段に制限が加えられているため、道に迷ってしまうということもあり得る。自由度が高く、街の外へ出てモンスターと戦ったり宝探しをする、ということ以外にも街の中で武器、防具、薬といった様々なアイテムを作り出す職人になったり絵画や工芸品、芸術品を制作したり音楽にいそしむといった芸術家的な遊び方もできるため、幅広い人たちの人気を集めている。
スキル
アルチストオンラインでは職業ごとに取得できるスキルが決まるのではなく、目指している職業に必要なスキルを自由に習得していくというシステムである。職人スキルには鍛冶、裁縫、細工、木工、製薬などがあり、同時に魔法付与のスキルを習得していると魔法のアイテムを作成することが出来る。金属製の武器や防具を作成出来る鍛冶師やHP回復剤、MP回復剤などを製薬できる薬剤師は人気の職業である。
冒険者スキルは剣技、槍術、弓術、武術、回避術、追跡術、各種攻撃魔法、回復魔法、補助魔法、地図作成、キャンプなど多種多様である。また、サブスキルに料理や釣りを持つプレイヤーも多い。芸術家スキルも充実していて、油絵、水彩画、フレスコ画、水墨画、版画、ちぎり絵、陶芸、ガラス加工、歌唱、各種楽器演奏など非常に多岐にわたり、ゲーム名の由来にもなる程である。
複数のスキルを習得することで複合的な働きをするものもあり、スキル習得の楽しみ方は奥深い。
属性
モンスターや魔法には属性が付いていることがある。主には火属性、水属性、空属性、土属性である。他にも聖属性、悪魔属性、毒属性などがある。火属性のモンスター、炎のミノタウロスには炎の矢は効かないが、水属性の氷の矢なら効果的にダメージを与えられるといった具合である。
最も基本的な攻撃魔法も属性ごとに、炎の矢、氷の矢、風の矢、石の矢などがある。ほかに無属性の魔法の矢もあり、主に対人戦で使われている。武器や防具にも属性を付与することが可能で装備のバリエーションは多い。